Activist as an Information Compiler
情報コンパイラとしてのアクティビスト
より一般化されたアクセシビリティの形
定義
アクティビストとは?
ここで定義をまとめておこう.
ここでいう「アクティビスト」とは,活動に積極的に関わっているすべての人を指す.(まあ...これでは何も説明していないが...)
会社で働いている人,何かのコミュニティで活動している人,独立した OSS 開発者など...
活動の形は様々だが,すべてに共通していることがある.
情報の形態
情報には様々な形態がある.テキストデータ,音声データ,そしてもちろん,あなたが考えていること.
場合によっては,「あなたが考えていないこと」も情報になりうる.
これらには優先度の違いがあり,状況によって扱い方が異なる.
動的情報と静的情報
情報は動的と静的に分類できる.
動的:
- 会話
- 考えていること
- など...
静的:
- テキストデータ
- 音声データ
- など...
この分類方法はかなり主観的だが,大まかに言えば「改ざんへの備え」と「改ざんの追跡可能性」の違いである.
そして私は,アクティビストの役割の一つは「活動に関連する動的情報を静的情報にコンパイルすること」だと強く信じている.
なぜなら,静的情報には多くの価値があるからだ.
静的情報の価値
アクセシビリティ
まず,アクセシビリティについて考えてみよう.
ここでいうアクセシビリティは,ウェブアクセシビリティの文脈とは異なる.
ウェブコンテンツの範囲を超えた,より一般化された概念である.
アクティビストとして,情報へのアクセスにはいくつかの制約がある:
- 時間的制約
- 処理能力の制約
- 記憶の制約
まず,時間について.動的情報は時間を超えて他者と共有することができない.
誰もが同時に存在し,話しているわけではない.
ミクロな文脈では「会議」が良い例だ.もちろん,スケジュールが合わないために参加できない人もいる.
マクロな文脈では,「世代交代(引き継ぎ)」や「新規参加者のキャッチアップ」が良い例だ.過去の出来事や歴史を知るために,その時の考え方や行われたことが静的にまとめられていることは価値がある.
次に処理能力について.人間の処理能力は人それぞれ異なる.
物事を素早く理解する人もいれば,そうでない人もいる.
同じ場所に同時にいて考えを共有していても,その情報を処理する能力は様々だ.
これを補完する静的情報は非常に価値がある.
最後に記憶について.人間の記憶には限界がある.
忘れることは普通のことであり,どこかで情報が変質することも普通のことだ.
さらに,永続的で改ざんに強い静的情報は,記憶の補完として非常に価値がある.
機械可読性
この言葉もウェブコンテンツの文脈で登場するが,この話にも類似点がある.
動的情報は機械が読み取るのが難しい.
一方,静的情報は機械が読み取りやすい.
あえて最近のホットな話題と混ぜるなら,静的情報は LLM に直接入力できる.
課題
静的情報には様々な価値があり,アクティビストにはその価値を生み出す役割があることを理解した.
しかし,問題は「動的情報を静的情報に変換する能力は人それぞれ異なり,向上させるには訓練が必要である」ということだ. この能力は,いわゆる「要約力」や「他者と効果的にコミュニケーションする能力」とは異なる.
「コンパイラ」は入力と出力の間で意味を変えてはならない.
つまり,できるだけ情報を失わずに動的情報を静的情報に変換する必要がある.
その時の思考,感情,雰囲気,流れなど.
これらを過不足なく静的情報に変換するのは難しい.
しかし,この能力は私たちアクティビストにとって必要なものだ.訓練しよう.